城陽市委託化等の推進に関する指針
平成 14 年 6 月
城 陽 市
【目 次】
1. 委託化等の推進に関する指針策定の背景と目的
2. 委託の定義
3. 委託に関する検討・評価基準
(1)経費の節減
(2)事務処理の効率化
(3)専門家の高度な知識・技術の活用
(4)市民サービスの質の確保
(5)住民自治意識の高揚
(6)行財政の簡素化
4. 適正な委託業務執行に関する検討事項
(1)責任所在の明確化
(2)公平性・透明性の確保
(3)整合性の確保
(4)法的整合性・法的遵守事項の徹底
(5)守秘義務の確保
(6)市民サービスの確保
(7)職員の管理監督能力の確保
5. 委託の見積額の算定
6. 委託契約の方法
7. 委託先の選定
8. 委託事務の管理
(1)事前段階の管理
(2)実施途中の管理
(3)事後段階の管理
9. 委託効果の測定(評価)
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1. 委託化等の推進に関する指針策定の背景と目的
今日、我が国の経済情勢は、金融不安や企業倒産の増加、経済のマイナス成長が続き、かつ て経験したことのない経済危機に陥り、依然として景気は混迷状態から脱しきれない状況にあ る。国、府をはじめ地方公共団体においてもこの影響を直接的に受けるなど、厳しい行財政運 営が強いられているところである。
また、平成 12 年 4 月には、地方分権一括法が施行され、地方自治の確立に向けた第一歩が踏 み出されたところであり、「地方の時代」の幕明けとともに、その果たすべき役割は大きく、そ の責務は今後ますます重くなるものと思われる。
2 1世 紀 の 本 市を 取 り 巻 く環 境 は 、 この よ う な 地方 分 権 の 進展 に よ る 事務 事 業 の 増大 や少 子・高齢化の進展等による財政逼迫、また、国際化や情報化、技術革新のスピードに俊敏に対 応し、複雑・多様化する市民ニーズへの的確な対応が求められるところである。
このような状況に対して、市の行財政運営を効率的・効果的に推進するとともに、市民に対 しより良い行政サービスを提供していくために、城陽市行政改革大綱に基づき積極的な改革を 進めているところである。
市ではこれまで、各種の事務事業の執行にあたっては、委託等を図ることにより行財政運営 の効率化と住民サービスの向上が図られるものにあっては、民間企業をはじめ、住民組織・団 体、個人などに積極的に委託化等を進めてきたところであるが、今後もさらに、委託化等によ り実施することが適当と認められる事務事業については、その執行管理を確実に行いながら委 託化等の推進を図っていくこととする。
この指針は、委託化等の適正な導入のための判断基準や導入のあり方を決定する方針を策定 したものであり、事務事業の執行にあたって、平成 12 年度に実施した業務調査を基礎資料とし て、各所属ごとの事務事業の分析、検討を行い、委託化等の基本的な考え方や委託化等を実施 するために必要な事項の整理及び委託化等の総合的な管理ができるものとした。
2. 委託の定義
委託とは、一般的には事務事業について、監督権等の行政責任を果たす上で必要とされる事 項は市におき、その事務事業について、市が直接処理しないで民間企業や他の諸団体、個人な どに外部発注して事業執行することをいう。
本市における委託の定義は、市が行う業務について、
① コア業務(組織の中核的な業務)への集中
② コストの削減
③ 組織の効率性の向上
④ 専門性の導入
⑤ 行政サービスの向上
⑥ 市民の就業機会の拡大
などの目的を持ち外部資源を活用することと定義する。
【委託化等の一般的な効果】
委託化等の効果としては、一般的に次のような効果が期待できるが、事務事業の委託化等の 推進にあたっては、委託化等に関する検討・評価基準に基づき実施することとする。
① コア業務(組織の中核的な業務)への集中
1) コア業務(組織の中核的な業務)へ行政資源を集中させることができ、職員が行政本 来の業務に集中できることにより、組織の効率性が向上すること。
② コストの削減
1) 委託先の弾力的な経営手法の活用等よって、人件費や物件費などが少ない経費で効率 的に事務処理ができること。
③ 組織の効率性の向上
1) 臨時的・短期的な大量の事務処理を効率的に対応できること。
2) 委託化等を実施することは、当該事務事業の執行に要する職員を最小限に抑制するこ とであることから、行政の簡素化(スリム化)につながること。
④ 専門性の導入
1) 専門知識、ノウハウを必要とする職員を独自に保有することは、容易でないため、専 門家の高度な知識・技術等の活用によって、効果的な事業執行ができること。
⑤ 行政サービスの向上
1) 公共料金の収納事務に見られるような外部委託によリ、サービスの向上が図れること。 また、社会福祉関係等の業務に従事する職員やボランティアの情熱に裏打ちされた献 身的なサービスが期待できること。
2) また、各種公の施設の不規則勤務に対して、弾力的な勤務時間制度の活用により市民 サービスの向上が図れること。
⑥ 住民の自治意識の高揚や地域コミュニティ資源の活用
1) コミュニティ施設等を住民組織に委託することは、住民が行政に積極的に参加するこ ととなり、住民の自治意識の高揚に役立つこと。また、地域コミュニティの人的資源 の活用につながる。
⑦ 市民の就業機会の拡大
1) 民間活力の積極的な導入は、市民にとって就業機会の拡大につながること。
⑧ 民間活力の醸成
1) 外部委託等を推進することによって、民間事業等の活動範囲を拡大し、民間活力の醸 成につながること。
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3. 委託化等に関する検討・評価基準
事務事業の委託化等を推進する場合にあたっては、経済的な効果はもとより不定期な事務を 処理する場合や短期に大量の事務を処理する必要がある場合などにおいて、より柔軟な業務処 理体制による市民サービスの向上に配慮する必要がある。
このため、市民サービスの向上、簡素で効率的かつ効果的な行財政運営の推進など、委託化 等の適否を決定する際の検討指標として、委託化等に関する検討・評価基準は次のとおりとす る。
また、既存の委託業務についても、この基準により総合的な検討・評価を行うこと。
(1)経費の節減
委託先の弾力的な経営手法の活用によって、より効率的な処理が可能となり、人件費、物件 費等がより少ない額で処理でき、経費の節減が図れるものであること。
(2)事務処理の効率化
夜間・早朝などに不定期に事務処理する場合や短期的に大量の事務を処理する必要がある場 合、または時限的な業務など業務量に時期的な変動が大きい場合などにおいて、委託化等によ ってより柔軟な業務処理体制が可能になるものであること。
また、専門業者への委託により事務処理が迅速、的確に行われるものであること。
(3)専門家の高度な知識・技術の活用
一般的に、時代の先端技術を持った専門家を養成することは容易ではなく、また専門家の採 用は、事務量の動向等によってはその後の人事管理が難しいことが予測されるため、委託によ って専門知識・技術が確保されるものであること。
(4)市民サービスの質の確保
委託により市民サービスの低下を招くことなく、夜間や休日も施設を開放できるなど、市民 ニーズに応じた市民サービスが迅速にできるものであること。
(5)住民自治意識の高揚
コミュニティ施設を市民に委託することにより、市民による主体的な管理運営が期待され、 自治意識の高揚に資するものであること。また、地域コミュニティの人材の活用につながるも のであること。
(6)行財政の簡素化
委託化等の推進により組織の簡素化にも役立ち、組織の中核的な業務へ人的行政資源である 職員を集中させることができ、変動する行政需要への迅速かつ積極的な対応を可能にするもの であること。
4. 適正な委託業務執行に関する検討事項
責任所在の明確化、透明性の確保など、委託業務の適正な執行を図る上で基本的に検討しな ければならない事項は次のとおりである。
(1)責任所在の明確化
委託先と行政との責任分担を明確にするものであること。
(2)公平性・透明性の確保
委託化等の事務事業の執行プロセスについての透明性等に配慮し、公平性が十分確保される ものであること。
(3)整合性の確保
事務事業の委託化等を実施する場合には、個々バラバラに行うものではなく、事務事業全体 の整合性が求められるため、その整合性について、十分検討されているものであること。
(4)法的整合性・法的遵守事項の徹底
法令で義務づけられた職員、または基準を定められていたり、委託先が限定されているよう な場合は、法的整合性が確保されるものであること。
また、労働関係法令等、受託者が当然遵守しなければならない事項について徹底されるもの であること。
(5)守秘義務の確保
事務の種類によっては、委託先が行政上守秘義務としていることや個人のプライバシーに関 する事項を知り得る場合も考えられるので、委託先に対して守秘義務を徹底できるものである こと。
(6)市民サービスの確保
安定したサービスなど市民サービスが確保、向上できるものであること。
(7)職員の管理監督能力の確保
担当職員が委託業務について精通・熟知し、委託業務を効率的・効果的に運用、管理できる 能力を有していること。
5. 委託の見積額の算定
委託の見積額は、それぞれの事務の種類、性格、内容に応じて、その算定根拠を明確にする とともに、適正化に努めなければならない。その算定にあたっては、次のことに留意する必要 がある。
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(1) 委託の見積額を算定する場合には、できる限り標準作業量、標準処理量、標準賃金の把 握に努めるとともに、委託効果を考慮し算定すること。
(2) 同種事務を行っている他部課・他市等の情報の収集に努めるとともに、委託業務に関す る業界サイドの動向等についても十分な把握をすること。
(3) 委託料の年度別の動向や経済環境に留意し、当該委託の見積額が適切であるかどうかの 見直しをすること。
6. 委託契約の方法
契約方法は、競争入札が原則であるが、さらに公平性、透明性が求められているので、地方 自治法及び市契約規則等に十分留意することが必要である。
当初の契約にあたっては、一社による随意契約であった場合でも、その後、同様の事務をよ り効果的に扱う者が新たに出てくることもあるので、委託先の最新情報の収集に努めること。
7. 委託先の選定
委託先を選定するにあたっては、市指名参加登録業者の中から委託しようとする事務の種類、 性格等に応じて業務経歴等を調査して指名するなど、その選定にあたっては、十分留意するこ と。
8. 委託事務の管理
委託事務の管理にあたっては、原則として委託の目的を絶えず踏まえ、事前段階、実施途中、 事後段階の各段階ごとに細部にわたって調査及び確認を行うこと。
(1)事前段階の管理
委託事務の管理方法は、事務の種類によって異なるが、それぞれの目的に応じて管理するこ と。また、円滑な履行を確保するため、事業着手以前の段階から実施計画書等の作成を行い、 必要な指示を的確に行うこと。
(2)実施途中の管理
事務事業の実施途中の管理が最も重要であり、この管理の在り方いかんによっては委託のメ リットを喪失させることになるため、中間進捗状況報告書の提出を求めるなど厳正な処理に心 掛ること。
(3)事後段階の管理
委託により執行された事務事業が適正に履行されたかどうかを契約書、仕様書、実績報告書 等に基づいて検査・検収を行い確認すること。
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9. 委託効果の測定(評価)
委託の効果については、基本的に委託業務の検討段階において、さらに委託業務完了後にお いても、経済的効果、市民サービスの向上、自治意識の高揚等を総合的に測定(評価)するこ ととし、常に委託業務の見直しや改善に努めること。
また、事務事業の委託を検討・評価する場合にあっては、「3.委託に関する検討・評価基準」 に基づき自己管理を行うよう努めること。